デンマークといえば何を思い浮かべるでしょう。北欧家具、人魚姫、アンデルセン、サッカー好きならベントナーといったところでしょうか。北欧といえばフィンランド、スウェーデンが日本の方には馴染みがあるのではないかと思います。そんな少しだけマイナーなデンマークですが、世界一幸せな国として知られています。

大阪・池田市にある「HOUSE OF TOBIAS JACOBSEN」は今年4月にオープンした「北欧モダンデザインの祖」と呼ばれるARNE JACOBSEN(アルネ・ヤコブセン)の専門ショップです。セブンチェアやエッグチェアなど北欧好きの方なら一度は聞いたことがあると思います。それをデザインしたのがアルネ・ヤコブセンです。デンマークを代表する総合建築家であるアルネ・ヤコブセンの作品が多く並ぶHOUSE OF TOBIAS JACOBSEN へ期間限定でポップアップしてきました。今回は初日に行った「Danish Coffee Culture x Lifestyle Talk」でPNB coffeeのオーナーが話した「デンマーク人」について少しお話しいたします。

● Hygge(ヒュッゲ)

北欧好きの方なら一度は聞いたことある「ヒュッゲ」。英語に訳すと「cozy」が1番近いと思います。家族と家でのんびりワインを飲みながら語り合う時、なかよしの友達とコーヒーを飲みながらおしゃべりする時、大切な人と何をするわけでもなくぶらぶら散歩してる時、親戚の誕生日会に家族みんなで集まる時、、などなど大切な身近な人と過ごす特別ではない日常的なプレシャスな時間や空間のことをヒュッゲといいます。ヒュッゲはデンマーク人を本当に現す言葉です。たとえば、デンマーク人は朝7時くらいから仕事をして、16時には仕事を終え家へ帰ります。デンマーク人は外食産業が盛んではなく、というのも家へ帰るのが当たり前だからです。大切な家族との時間を1番に考える彼らは、好んで直帰します。

心地よい家族との時間は素敵な空間でありたい。そんなデンマーク人らしい考える方から、デンマーク家具は生まれたのだと思います。大切な人とすごすヒュッゲな空間を維持するために、自然と生まれてきた、シンプルで利便性に優れつつも、快適さを求めた家具(とくにチェアー)たちは、今でも世界中で愛されています。

● Talk

デンマーク人はおしゃべりです。前述のヒュッゲにも関係しますが、家族や友人といった大切な人との時間を惜しまないデンマーク人。ひたすら団らんし、しゃべりまくります。たとえば、日本では夜ご飯の後、お母さんが片付けしだし、子供達は別の部屋でテレビ見たり、勉強しに行く。お父さんは1人酒したり、もしくはお風呂に入りに行ったりしますよね?ご飯が終わったら解散することがほとんどだと思います。しかしデンマーク人は違います。一通りご飯が終わると、お母さんが片付けし出しますが、みんな席を離れません。お母さんが片付けが終わりコーヒーを片手にテーブルへ戻ってきます。それからコーヒーをみんなでシェアしながら寝る前までお話しします。そんなに話すことあるの?と思うのですが、何にもない普通の会話を2、3時間。デンマーク以外の国の人には少し疲れるくらいしゃべります(笑)

デンマーク人の友人が以前、イギリス人の彼氏を連れてデンマーク式の結婚式に行ったときのことを教えてくれました。デンマークの結婚式はいわゆる披露宴が5時間くらいあります(もちろん余興とかなし)。5時間ご飯食べながらストレートにしゃべりまくるデンマーク人に対し、そのイギリス人の彼氏は披露宴の後、疲れきってしまっていたとのことです。それだけ他の国の人には少し受け入れがたいほど(笑)デンマーク人は大切な人と過ごす何ともない時間を大事にする国民性のようです。

● Shy

デンマーク人はシャイです。先ほどデンマーク人はよくしゃべると言いましたが、その一方でとてもシャイなのです。というのも、先ほど説明した通り家族や友達など、身近な人とはよーくしゃべるのですが、初対面の人とはかなりの距離をおきます。基本的に北欧の人はパーソナルスペースが広く、人によっては冷たい印象を持たれます。たとえばフレンドリーが代名詞といっても過言ではないアメリカ人は、街ですれ違うだけで「Hello, how are you?」と声をかけてくれますが、北欧では知らない人に声をかけるなんてまずありません(笑)なので、どちらかというと欧米人の中でも日本人の性格に近いと言われています。

● Coffee

そんなシャイだけど、仲良くなったらおしゃべり好きなデンマーク人。家族や仲の良い友達とは、家やカフェでひたすらおしゃべりするのが大好き。可愛くて洗練された、だけどとても利便性にすぐれたデンマークのモダン家具に囲まれて過ごす団らんの時間には、やっぱりコーヒー(もしくはワイン)を飲みながら会話するのが一番。北欧は世界で最も一人当たりのコーヒー消費量が多い地域です。デンマークも例外なくコーヒーは生活の一部となっています。学生の一人暮らしを除き、コーヒーメーカーがない家庭を見たことがないとPNBのオーナー、ピーターは言います。起きてコーヒー、出社してコーヒー、ランチの前にコーヒー、ランチ後のコーヒー、退社するまでにまた1、2杯。デンマークの会社ではランチ休憩が45分のところがほとんど。その代わり?15分の「コーヒー休憩」となるものが午後にあるそうです(笑)コーヒーを飲みながら、同僚との仲を深める貴重な時間になるのだとか。仕事のことは少しだけ忘れて、昨日なにしたの?とか休日や家族のことを会社の人と話す。とても素敵な時間の取り方だと思います。

「social motor」=「社交を促すもの」として捉えられているコーヒー。コーヒーを囲んでゆっくり話す時間を設けることで、いい関係を築くことができると考えられています。放課後はみんなでコーヒーを飲みに行き、デートに誘うときも「コーヒー飲みに行く?」と誘う。家に帰れば家族とコーヒーを飲みながら団らんの時間。デンマーク人の生活にはなくてはならないもののようです。

そんなデンマーク人のお話しを HOUSE OF TOBIAS JACOBSEN で行いました。大阪・池田市という住宅街に店を構えており、もともとは洋裁学校だったところをリフォームしたそうです。真っ白に塗られた昭和の建物は、古いけれどどこか新しい雰囲気をかもしだします。大きな窓から入る自然の光は、店内をやわらかく包み、家具屋さんということも忘れて、素敵な椅子に座ってぼーっと何時間でも居られる空間です。大阪だけでなく、遠いところからわざわざ来られる方も多いようです。ぜひ、興味がある方は行ってみてください。

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