こんにちは!3月に入り、桜がちらほらと咲き始めました。PNB Coffeeがある中目黒ではあろ1ヶ月もすると目黒川沿いの桜が見頃を迎え、その年に1回しか見れない絶景と美味しい屋台のために多くの人で賑わいます。 

当店もオープンして1年半を迎えようとしてます。以前は浅煎りコーヒーが好きな人や北欧好きな人が お客様として多かったのですが、嬉しいことにSNSや雑誌、口コミなどで来店してくださるお客様も増えました。浅煎りコーヒーが初めてのお客様もオープン当初に比べると多くなってきたような気がするので、今回は改めて当店PNB Coffeeで取り扱っているロースターをご紹介したいと思います。

当店では北欧デンマークにあるロースターで焙煎されたコーヒー豆を使用しております。「コーヒー先進国」と呼ばれる北欧は、焙煎技術が長けていると言われているほか、世界で一番コーヒーを消費する地域です。そんな北欧の国の1つデンマークにある「The Coffee Collective」と「La Cabra Coffee」という2つのロースターの豆が味わえるアジアで唯一のコーヒーショップが当店になります。 ということで今回は「The Coffee Collective」のご紹介です。

The Coffee Collectiveは2007年デンマークの首都コペンハーゲンで設立されたロースタリーになります。4人のコーヒー好きによってはじまったThe Coffee Collective。バリスタであったKlaus、バリスタ兼ロースターであったPeterとRasmus、建築家兼デザイナーであったLinusはThe Coffee Collectiveを始める前は、別のコーヒーショップで同僚として働いていました。コーヒーが好きな4人ではありましたが、バリスタはバリスタの仕事しか知らず、他部署(たとえばロースター)とのコミュニケーションがなかったことに違和感を感じ、コーヒーに携わるすべての人とのコミュニケーションや、横との繋がりを意識したコーヒーショップを作りたいという思いから The Coffee Collective(コーヒーの集まり)を4人で立ち上げることになりました。

Jægersborggade店内

Jægersborggade店内

The Coffee Collectiveはコーヒー農園からお客様の手に渡る1杯までが目に見えるという、繋がりを大切にしています。コーヒー市場は今やフェアトレード価格で取引きされることが主流ですが、フェアトレードといってもやはり中間業者が入っていることがほとんどです。しかしThe Coffee Collectiveはその一切の中間業者を省き、コーヒー農園と直接取引きをする「ダイレクトトレード」に設立当初からこだわってきました。ダイレクトトレードはコーヒー業界で始まったもので、フェアトレード価格よりも25%以上の価格で取引きすること、また最低でも年に1回は農園を訪れることなどが条件となっています。

The Coffee Collectiveでは年に2回それぞれの農園を訪れています。実際に現地へ行き、どのような人がどのように育てているのかを確かめることができるだけでなく、実際に会うことによって、もっと品質のいいコーヒー豆を育てていくにはどうしたらいいかなどの話し合いもできます。会ったこともない人と取引きするよりも、毎年ちゃんと会いに来て、一緒になって農園のことを考えてくれる人と契約する方が、農園の人も安心できるし、何より深い人間関係性は実際に会うことによってでしか成り立ちません。

Godthåbsvej本店内

Godthåbsvej本店内

また、コーヒーチェリーは果物なので、どうしても収穫が良い時期と悪い時期があります。年に1回の収穫が次の年の生活費になるわけですが、収穫が悪い時は生活が厳しくなることも。The Coffee Collectiveはそんな収穫が悪い時期も農園や生産者をサポートし、次の年も活動できるだけの対価を支払うようにしています。

フェアトレードが当たり前のコーヒー業界ですが、やはり中間業者が手数料を取るため、実際農園にどれだけ還元されているか分かっていないロースタリーがほとんどです。またコーヒーは市場が不安定で、取引価格の変動が激しいため、せっかく1年かけて働いたのにそれに見合う価格で取引きされないこともあります。それがコーヒー農園にとってはとてもストレスになっています。The Coffee Collectiveはそんな農園と契約をし、支払う価格をきちんと決めており、農園で働く生産者の生活向上にも役立っています。

しかしダイレクトトレードは原産国によっては非常に難しいといいます。取引したい農園が輸出する資格を持っていないケースや、場所によっては政府が介入し取引価格をコントロールされていることもあります。たくさんの努力とその積み重ねが必要なダイレクトトレード。取引する前にも様々な課題があることはもちろんですが、契約が成立してからも信頼関係を築いていくのに長い年月がかかります。その為なかなか新しい豆を次々に仕入れることはできませんが、だからこそ限られた種類の豆に全力を注ぎ、常に最高の品質をキープしています。

2016ワールドブリューワーズカップ準優勝

2016ワールドブリューワーズカップ準優勝

そんなThe Coffee Collectiveのほぼ年中あるラインナップ3点をご紹介しておきます。

① ケニア キエニ(ニエリ/SL28 and SL34/ウォッシュド)

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東アフリカ、赤道直下の国ケニア共和国。首都ナイロビから北へ120kmの場所にニエリ地区があります。ここはケニアの中でも最高品質の豆が穫れることで有名な地域です。そのニエリ地区にあるムガガ生産者組合に属するウェットミル「キエニ」。The Coffee Collectiveは2010年にこのウェットミルを初めて訪れてから毎年ここを訪れコーヒー豆を仕入れています。現在販売中のものは市場価格(フェアトレード価格)よりも359%高い価格を農園に支払っており、今ではケニアの中で1番高く取引されている農園・コミュニティの一つにまでなっています。農園が一生懸命育てた再高品質のコーヒー豆本来のアロマを壊さないよう、超浅煎りでローストされており、みかんやベリー系のジューシーな酸味が特徴のクリアなコーヒーに仕上がっています。

② エチオピア コチェレ(イルガチェフ/Heirloom/ウォッシュド)

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コーヒー(アラビカ種)の生まれ故郷とも言われるエチオピア連邦民主共和国。有名なイルガチェフ地方のうち北はHagere Selamから南はChelelektuの間の地域がコチェレです。コーヒーの生まれ故郷と言われるだけあって野生のアラビカの原種がいたるところに生えています。小さな農家や農園を持つ家族が収穫したコーヒーチェリーをウォッシュステーションまで運びます。浅煎りで焙煎することでシトラス、ピーチ、ライチのようなやさしい酸味と甘みが感じられ、ベルガモットのようなフローラルなアロマの余韻がいつまでも続きます。

③ エチオピア アクメル・ヌリ(ジンマ/Heirloom/ナチュラル)

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同じくコーヒーの生まれ故郷エチオピアの南部に位置するジンマ地区。こちらもコーヒーの産地としては名が知れた地域です。このジンマのリムコサに農園を持つのがアクメル・ヌリさん。彼は長い間ニューヨークでタクシードライバーとして働き、農業を勉強する為の資金を貯めていました。長年かかって農業を学び、ようやく祖国エチオピアへ帰国後、2002年に自分の農園を購入しました。野生のアラビカの原種がたくさん自生しているエチオピア。アクメル・ヌリさんは自然の掟に従うのが一番だと考え、全てオーガニックで育てています。現在販売中のものは市場価格(フェアトレード価格)よりも251%高い価格を直接アクメル・ヌリさんへ支払い、仕入れています。ナチュラルで精製されたこの豆は酸味が抑えめで、ヌガー、ミルクチョコレート、いちぢくのようなとろみのある甘さを感じます。

当店でも人気の上記3つの豆。シャープでジューシーなベリー系のキエニ、フローラルでフルーツティーのようなコチェレ、まろやかな優しい甘みのアクメル・ヌリ。その日の気分や時間帯、シチュエーションによってお勧めしたい豆も変わります。同じコーヒーでも「ここまで違うんだ!」と違いがはっきり分かると思うので、ぜひ飲み比べてみてください。たった1杯のコーヒーでも、1年かけて一生懸命育てている生豆生産者の方、実際にその生産者に会いにいって見て触って会話して高い対価を払っているロースターの方、そして生豆生産者のストーリーに思いをはせながら1杯ずつ丁寧にコーヒーを淹れるバリスタ、いろんな人の思いや愛、苦労も詰まったコーヒーであることをなんとなく感じていただければ嬉しいなと思います。

Online Store(http://pnbcoffee.thebase.in/categories/339396)

次回はもう一つのロースター「La Cabra Coffee」をご紹介します!お楽しみに!

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