こんにちは。今回は前回に引き続き当店で取扱っているロースターについてご紹介いたします。当店PNB Coffeeでは「コーヒー先進国」と呼ばれている北欧デンマークで焙煎されたコーヒー豆を使用しています。取扱っているのは「The Coffee Collective」と「La Cabra Coffee」という2つのロースター。今回はLa Cabra Coffeeについてです。

デンマーク第二の都市「オーフス」を拠点とするLa Cabra Coffee

デンマーク第二の都市「オーフス」を拠点とするLa Cabra Coffee

La Cabra Coffeeのオーナーの一人Esben Piperは世界各地を旅し、バンクーバーや上海に住みながら演奏したり、地元のコーヒーショップでバリスタをかじったりしていました。そんな彼が本格的にコーヒーにはまったきっかけは、デンマークに帰国後に飲んだエチオピア、シダモのグジ。コーヒーが語りかけてきたような、そんな衝撃が走り、たった一口目にして「コーヒーを極める」ことを決めました。

Esben Piper

Esben Piper

おそらく皆さんにも「コーヒーにはまった衝撃の1杯」があると思います。当店オーナーのピーターも世界一周から帰国した際に飲んだThe Coffee Collectiveのケニア キエニに強い衝撃を受け、コーヒーのことをもっと知りたいと思うようになったと言います。

COLLECTED COFFEEのインタビューによると、エチオピアのグジに衝撃を受けたEsbenは2013年にMikkelをはじめとする仲間達でLa Cabra Coffeeを立ち上げます。(ヘッドバリスタであったMikkelは2014年にデンマーク国内のブリューワーズカップとエアロプレスのチャンピオンに輝きます。)始めた当初は焙煎はしておらず、様々なロースターのコーヒーを使用したカフェとしてスタートしましたが、始まってすぐに「これは私たちのやりたいことじゃない」と気づきます。その日から、La Cabra Coffeeは「カッピングテーブルの上で最高のパフォーマンスをする豆を焙煎する」という方針をかかげ、ローストに努めていきます。

Esbenの情熱と探究心がLa Cabra Coffeeの原動力 

Esbenの情熱と探究心がLa Cabra Coffeeの原動力 

コーヒーはコーヒーチェリーという生の果物を加工したものであり、原料はコーヒーチェリーのみ。その果物を最高の形で焙煎するのがロースターの仕事であり、その果物の良さのピークを引き出せるのはある一定の焙煎度である。だからこそカッピングテーブルの上で最高のパフォーマンスをする焙煎度合いが、その豆に最適なロースト具合いであり、1つの豆に対して「フィルター用」「エスプレッソ用」と焙煎具合を変えるのではなく、そのある一定の最高の状態でローストされた豆を使ってフィルターもエスプレッソも淹れるべきだという考え方をEsbenは持っています。

原材料であるコーヒーチェリーを最高の状態で加工(焙煎)するのがロースターの仕事であり、その最高の状態で仕上がったコーヒー豆をフィルターでもエスプレッソでも美味しく調理(抽出)するのがバリスタの仕事である。そんな持論を展開するEsben率いるLa Cabra Coffeeはコーヒー界の新星として、新しくて面白い味を引き出すことに力を注いでいます。前回ご紹介したThe Coffee Collectiveはどちらかというと保守的で安定しているのに比べ、La Cabra Coffeeは革新的で新しいものにチャレンジしていくロースターです。

La Cabra Coffee 店内 

La Cabra Coffee 店内 

今やデンマーク国内で1位、2位のスペシャリティーコーヒーロースターである2社ですが、タイプは全く別。だからこそ当店ではこの2つのロースターから豆を仕入れています。常に安定した最高品質の豆を提供してくれるThe Coffee Collectiveはなかなか種類が増えることがありませんが、The Coffee Collectiveのようにダイレクトトレードに努めなながら、かつ新しくて品質の良いコーヒーを次々とリリースするLa Cabra Coffee、両者のいいところを皆様にも楽しんでいただけたら幸いです。

さてそんなLa Cabra Coffeeが掲げるのは「brighter is better」。直訳してしまうと「明るければ明るいほうがいい」となりますが、ここでEsbenが語る「明るさ」はコーヒーの色の明るさだけではありません。①コーヒーチェリー本来が持っているテイストを感じられるピュアなコーヒーであるか、②そしてコーヒー1杯に関わった全ての人がきちんと見える透明感のことを指します。


①は和食にも通じますが、原材料が新鮮で最高のものは、濃い味付けはしないほうが食材の味が引き立ち美味しいものです。コーヒーも同じで最高品質の生の食材(コーヒーチェリー)は加工しすぎず、浅煎りの状態で提供するほうが食材の味や香りが楽しめます。複雑なものは何もいらない、シンプルに、だけどそのシンプルさや微妙な加減にはこだわって焙煎する。La Cabra Coffeeはこのコーヒーチェリーが生の果物であり、元々の果物感を味わえるシンプルな浅煎りにとことんこだわっています。

②はThe Coffee Collectiveでもご紹介しましたが、La Cabra Coffeeも一部のコーヒーはダイレクトトレードをしています。ダイレクトトレードでないものでも実際にコーヒー農園に足を運び誰がどのように育てているかを確認したり、市場価格(フェアトレード価格)以上の価格を農園に支払って豆を購入しています。The Coffee Collectiveはホームページに仕入値を全て記載していますが、La Cabra Coffeeは全てのパッケージに仕入値を記載しています。普通の会社では仕入値と売値で利益が出るので、なかなか仕入値を公表することはありませんが、両者とも自信を持って仕入値を記載し、どれだけ農園に還元されているかを明確にしてくれています。パッケージには農園のストーリーも書かれていて、どんな人がどのようにコーヒーチェリーを育てているかを私たち消費者が確認できるようになっています。本当にたくさんの人の手を経てようやく1杯のコーヒーとなるコーヒー豆。その過程がキレイに見える、その透明性を大切にしているのがLa Cabra Coffeeです。

かわいいヤギのパッケージ 

かわいいヤギのパッケージ 

「世の中には常に一貫性を保っているものもあるけど、もしコーヒーが常に100%同じだったらあんまりだ。常に同じコーヒーを淹れることは絶対に出来ない。でもそれが僕を楽しませてくれるし、それがコーヒーの美しさだと思う。そしてもちろんロマンチックだ。僕はやりたいことをやる。だって、やらずにはいられないし、コーヒーが大好きだし、好奇心に溢れているから。」そう語るEsbenの好奇心こそがLa Cabra Coffeeを突き動かします。

去年からずっと日本に来たいと言っているEsben。今年こそは来日イベントができることを私たちも願っています。エネルギッシュなEsbenをはじめとするLa Cabra Coffee、これからも面白いコーヒーを生み出してくれること間違いなし!今後もお楽しみに! 

Comment